カナリアの習性

元気な赤カナリア

カナリアは他の鳥とは少々違う習性があり、予め押さえておきたいポイントがありますので しっかり把握しておきましょう。病気の予防や寿命を延ばしやすいと思います。

カナリアには胆嚢(たんのう)がある

カナリアは胃の中で種をすりつぶすために、自分で砂を飲み込み、胆嚢という特殊な胃で 食べたものをすりつぶして消化します。これは自然な事なので問題ありません。エサ皿の 隣にでも、キレイな洗った砂を入れた皿も置いておきましょう。カナリアが自分の意志で必要な 量の砂を飲んでくれます。

この胆嚢は文鳥や十姉妹ももっている器官で、インコ類にはないものですね。この砂はフンと 一緒に排泄しているようで、こまめに砂の補給も必要です。

警戒心は強い鳥です。

カナリアは警戒心が強いので、飼い始めは刺激しないようにしましょう。飼い主に慣れてくれれば 徐々に心を開いてくれますが、縄張り意識も高いので急にケージを開けて雑に作業しないように しましょう。飼い始めはそっとしておきましょう。

オスは鳴き声が美しい

カナリアは鳴き声の美しさで有名です。鳥の中でもトップクラスといえます。オスはよく鳴きますが メスは少ししか鳴きません。オスは頭をあげて鳴き、メスは静かに鳴きます。飼いやすさはメスの 方が飼いやすいと思います。

視覚、聴覚も鋭いが嗅覚がNo.1

カナリアは大昔は外国で毒ガス検知器の代わりにされていたほど嗅覚が鋭いです。そのため 香水やマニキュア、殺虫剤、芳香剤など自然にない臭いはとても苦手で、ストレスで死んでしまう こともあります。臭いの元になるものは厳禁ですね。

なおテフロン加工されたフライパンなども使用しないでください。加熱すると僅かにガスが発生する らしく、デリケートなカナリアの死因になります。他の鳥も苦手なものなので要注意です。

反対に味覚はあまりない(味覚神経が少ない)ようですが、シードの選り好みはするので 多少の味の違いは判るようですね。

赤カナリアは短命?

カナリアは通常10年程度生きますが、赤カナリアが5年程度で落鳥(死亡)する例が多いです。 これは色揚げ剤を投与するので肝臓の負担が大きいようですね。なので、赤カナリアでも色揚げ剤 の代わりに人参を多くあげる事で肝臓のダメージを減らすことはできると思います。

色揚げ剤は高脂肪なエサなので、健康を考えたら使用はなるべく控えた方が良いでしょう。

カナリアの換羽(とや)は夏

カナリアの羽が生え変わるのは年1回、夏になります。換羽(とや)といって徐々に新しい羽が 生えてきます。この時期はカナリアの体力が落ちやすく、病気になったり落鳥することもあります。 3~40日で生え変わるのでこの時期はとくに注意しましょう。

近年はこの時期に落鳥するカナリアが多くなったように感じます。原因は不明ですが気温にも 注意して弱らせないようにしてください。

カナリアのフンは水っぽい

これもカナリア独自のもので、他の鳥よりも水をよく飲むせいか、フンはベチャっとしています。 文鳥の乾燥したフンとは大きく違うので、予め知っておいた方がいいかと思います。

繁殖はかなり難しい

カナリアを交配させて卵を産ませ、ヒナをとれるのは相当な上級者でないと無理なようです。 「巣引き」といって卵を取り出し、孵化させるのが相当に難しいようです。 国内にもブリーダーがいますが、初心者にはまず無理だと思ってください。

爪切りも必要

足の爪が徐々に伸びるので、爪切りで切る必要があります。コツがいるので慣れるまでは ペットショップまたは動物病院で慣れた方に切ってもらうようにしましょう。重要な血管が近くに あるので慎重に切ってください。